s先生教えてレポート|植毛 東京・自毛植毛アスク井上クリニック

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訪問インタビュー「先生教えて!」レポート
<第5回>

アスク井上クリニックと他の植毛クリニックとの植毛手術の違いはどんなところですか?

他院との大きな違いとは?

第5回レポート写真1

当クリニックでの自毛植毛の方法は、一般的なものに比べてかなり独特だと思います。簡単に言えば他院との大きな違いは、

・ドナーの採取

・レシピアント作成及びインプラント

といえるでしょう。
こちらについて、もう少し詳しく説明しましょう。

ドナーの採取時の特長

ドナー(=移植毛)を当人の後頭部や頭側部から採取すること。移植毛とは、毛穴の奥にあって表面には見えない毛根部、 毛母細胞や毛乳頭など髪の毛を作り出す、いわゆる髪の毛の製造工場のような部分を含めた毛髪一式のことを指します。 他院との違いは、ただ単に皮膚を切るか切らないかではなくて、私が開発した「FUEのようなもの」になります。 「FUE(フォリキュラー・ユニット・エクストラクション)法」は、メスで切る必要のない自毛植毛のことですが、 その方法をベースにしながらも当院はかなり独自のやり方となるので「FUEのようなもの」と呼んでいるのです。

違いは4つ挙げられます

① 採取の器具(パンチ)に吸引圧がかかっている

② 採取する時の深さが浅い

③ パンチそのもののサイズが小さい

④ パンチがとてもよく切れる

他院では、ごく細いストロー状の穴の開いただけの刃物=パンチを使うのが一般的です。 ドリルと同じで、パンチの刃が回転しているものを毛穴に差し込んで毛束を採取します。  一方、当院では、同様に回転することに加え、パンチの穴の中に移植毛が吸引される仕組み、 つまり吸引圧がかかる器具を使います。ゆっくりと皮膚に刃先を挿し入れると、雑巾をしぼるかのように中が回転しながらドナーごと引っ張り上げます。
器具の違いで結果も大きく変わってきます。一般的なパンチだと皮膚の抵抗が起こりやすく、差し込んだ時に毛根部が奥に押し込まれ、 さらにパンチをぐっと奥の方まで入れないと移植毛を採取することができません。また、その際、 毛の角度も変わってしまうので、中の下の方が切れやすくなります。 それが当院のパンチだと、皮膚に吸引力が働き、差し込む時に周囲の皮膚の方からくっついてくるため皮膚表面がくぼむことがなく、 しかも皮膚の中に入ったと同時に全体を引っ張り上げるので、パンチを奥まで入れずに済みます。つまり、刃を入れるのは浅くても十分なので、 頭皮へのダメージも最少減で済みます。かと言って、浅すぎると毛根部の組織を残してしまい、移植毛の生着率が下がる原因になってしまいますから、 その加減が難しく微妙な調整が必要です。

特別サイズのパンチを使用する理由

第5回レポート写真3

パンチの直径のサイズ。通常、FUEで使うパンチは1.0~1.2ミリくらいのサイズですが、当院で使っているのは0.8ミリ程のサイズです。
サイズが小さいことは、技術としてはより高度になりますが、それだけに皮膚の傷を最小限で済ますことができます。 また、この採取という作業は、移植毛の方向(毛の生え方)を把握することも大切。移植毛の方向は、中に刃を入れたときの感触で、調整します。 感触をたよりに移植毛が上手く採取出来ていなければ、少しパンチの角度を変えたり、深さを変えたりするなど色々な情報をフィードバックさせながら 、一人ひとりにあった最善の採取方法を探ります。
髪というのは、一見まっすぐ生えているように見えても、人によっては、癖があったり、 中で曲がっていたりしますので、一つひとつを精査しながら、対応していきます。 また、同じ方であっても、採取する部位で癖が違ったりするので、注意しなくてはなりません。 ですから、移植毛を採取する際は、注意深く観察したり、感触を確かめたりしながら施術するしかありません。 大きな径のパンチでは、この繊細な毛根の方向の感触が、分かりにくくなります。これが、私が小さな径のパンチを使うもう一つの理由です。
また、パンチがとてもよく切れるというのも見過ごせません。 よく切れるのは私が施術中も切れ味が鈍ると随時研いでいるからですが、研ぐ研がないの問題以前に、 実は多くのクリニックで使用される一般的なパンチそのものがあまり切れ味はよくありません。 刃が鋭利だと移植毛に刃が当たった瞬間に切れてしまうので、技術が未熟な医者であると採取するのに逆に不都合になるからだと思います。
移植毛の採取で大切なのは、いかに傷つけず、元気な状態で採取するかということ。 FUEの一般的な採取方法は、移植毛が傷つく度合は20%と言われています。傷ついた株は分単位で弱っていきます。 当院の方法ですと、傷つく度合は1~2%。採取方法によっては、0.3%程度になります。傷つく率が桁違いに少ないことが大きな特長です。 採取した際、傷ついていない元気な株ならば保存液に入れておけばすぐに弱ることはありません。 つまり、傷ついて生命力がどんどん低下していかないように手早く採取し、それを急いで移植するのではなく、 最初から傷まないように採取することが重要です。

レシピアント作成及びインプラントの特長

レシピアント作成及びインプラントとは、採取したドナー(=移植毛)を希望する毛の薄い部分に植えること。 移植毛の単位を株(またはグラフト)と言います。採取した移植毛の一株を移植する際、最初に小さな穴をあけて、そこの中に植えていきます。 通常は、植える株と、植込みのための穴の大きさはほぼ同じか、ひとまわり小さいくらいです。 ですので、スムーズに植えられますし、作業する看護師の腕による違いもあまり出ません。 ところが、穴が大きいと、その傷が治る過程で周りの皮膚に影響するため、あまり近くに植えることができません。 近くだと根付きにくくなるからです。周りにあった毛が傷つきやすくなるし、傷痕として汚くしてしまう可能性はどうしても高いといえます。  

第5回レポート写真3

当院の場合、穴というより、大きさのない点のような穴をあけます。 私がまず、穴をあけ、次に看護師が株を植える時に、このままだと株が入らないので専用の穴を広げる器具を差し込んで、すぐに抜きます。 すると、ほんの少しの間、穴が開きますので急いで、その中に移植毛を植えます。 ちょっと慌ただしくてややこしいのですが、そうすると次の瞬間には、一瞬開いた穴が閉じてしまいます。
こうすることで、移植毛も安定し、穴の傷がほとんどできません。植える前に、看護師が一回穴を広げる専用器具をダイレーターと言います。 ピンセット状の拡張器をイメージしてもらったらよいでしょう。 穴の大きさはもちろん、その穴を押し広げるため、いったん、ダイレーターを差し込む点が他院と大きく違います。 ただし、この手術は技術的に難しいため、経験不足の看護師がやると移植毛が根付かないことが起こります。 そして、当然、手間がかかります。一般的な手術の3倍は時間がかかるでしょう。
従って看護師には、このための技術指導を行っています。

特別サイズのパンチを使用する理由

第5回レポート写真4

植毛手術では、ただ単に生着すればいいわけじゃありません。綺麗に、なるべく自然に見えるよう移植することが大切です。 移植毛の生着だけを考えるなら、大きな穴に間隔をあけて植えればいいわけです。 でも、仕上がりは、手術を受けた側の気持ちはどうかということを言いたいのです。
特殊なパンチの開発やダイレーターの使用、看護師の特別な指導も、言ってしまえば、すべてそのためです。
従来ある器具でも、手術は十分行えます。しかし、うまく生着しなかった時や自然でなかった時、手術する自分自身も本当にがっかりします。 うまくいかなかった時、「なんでだろう」と原因を考え、究明することを長年、繰り返してきました。 そうして少しでも、良い結果が得られるよう研鑽を重ねてきたのです。 これらは、もしかすると自分自身ががっかりしないため、言ってみれば、自己満足のためかもしれません。 しかし、そうした少しの違いやこだわりは、植毛手術を受けた方への満足へつながるものと信じています。

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