CTE 慢性休止期脱毛症において、「手術と薬剤の併用」の具体的治療の事例等をわかりやすく解説していただきたい
慢性休止期脱毛症(CTE)とは
性休止期脱毛症(CTE)について、改めてわかりやすく解説していきましょう。これは女性に多くみられる脱毛症で、女性の薄毛の悩みの過半数に達するといわれます。
びまん性脱毛症の一種に分類されることがあります。また、男性の「AGA(男性型脱毛症)」の女性版ということで「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれることがあります。
ちなみに、びまん性脱毛症とは、局部的なものではなく、頭髪全体に発症する脱毛症です。脱毛と同時に、毛が細くなったり、しなやかさを失ったりするなど頭髪全体の劣化を伴う点が特徴です。
地肌や髪の分け目といった、もともと人目につく部分がいっそう目立つようになっていきます。
限られた部位で発症するわけではないものの、頭頂部は人目につきやすいため目立ってしまいやすいことも挙げられます。
CTEの特徴は、頭髪の休止期が6ヵ月以上に長期にわたるうえ、休止期の髪の割合も通常の倍以上になり、頭髪のヴォリュームが減っていくことです。CTEは進行し、どこにでも起こるのも特徴です。
脱毛用に毛を取る部分にも、植えた毛にもCTEは起こりえます。
つまり植えたにも関わらず抜けてしまうということですね。そのため、
できるだけ進行を抑えるためのマネジメントをしっかり行う必要があります。そうしなければ、せっかく植毛したのに今ひとつ効果がなかったということになりかねなません。
原因についてはさまざまで、ストレスをはじめとした精神的な影響もあれば、ホルモンバランスの乱れによるケースもあり、体調を崩したことがきっかけになるケースもあると考えられています。
まだまだ不透明な部分もたくさん残されていますが、実際に女性ホルモンの分泌量と関係があることが突き止められており、女性ホルモンの分泌が衰えることで
、頭髪の毛母細胞の働きが低下しているという研究報告があります。実際にホルモンの減少がはじまる年齢層に発症例が集中しています。
薬の効果的な使い方とは
実は、男性型脱毛症(AGA)等と比べると研究はそれほど進んでいません。はっきりとした治療法はまだ確立されていませんが、
専門医の診察を受けた上で投薬や手術を用いた治療法を早めに受けることをおすすめします。
手術と薬の併用については、手術をメインにして薬を補助的に使うくらいがよいのではないかと考えています。
そもそも薬にはさまざまな副作用が考えられます。薬とはそういうもので、薬に頼ることはよくないと考えています。
現時点であまり副作用を考える必要がないのは植毛なんですね。ですから植毛の手術を中心に、CTEも長い目で見なければいけないのですが、
植毛手術をやっただけでも実はストレスがかかっています。
CTEは自律神経と関係したものなので、ストレスによってさらに脱毛が進行したりします。たとえば植毛の手術で、1000本植えて、手術により1000本の脱毛が進行して無くなってしまったら悲しいことですよね。
これは一般的にショックロスと言われているもので、いったん髪は抜けるけれど、また元に戻って生えてくるというものです。ところがショックによって進行してしまったまま、
戻ってこないこともあるのです。植えたはいいが、別のところが一年後にすぽんと空いてしまっていたということもあるのです。
薬は、手術によって脱毛が進行しないように、手術後に補助的に使うというわけです。実際に、たとえば薬を4ヶ月だけ使った場合と使ってない場合とを1年後、2年後に比較すると、
若干でも意味のある差が出ています。
このことからも、やはり薬は使った方がいいのですが、大切なのはいつまでも使い続けずに、時間を区切って使用することです
それ以上抜けないように
発毛剤などでよく使われるミノキシジルという成分には、成長因子を増やす作用があります。CTEの場合は男性ホルモンとは関係ないために効果的な薬がありませんが、
成長因子を増やすミノキシジルは何にでも効くので、CTEにこそ使いたいと考えています。
成長因子は扱いが難しく、外用すると接触性皮膚炎を起こし、かゆみなどの影響でかえって毛が抜けることもあるので使用には注意が必要です。
「成長因子の塗り薬」を使うのも方法です。塗り薬にすれば、ほとんど副作用もありません。
ただし、わずかしか入らないのでミノキシジルに比べたら効果は微々たるものです。それでも副作用がないという意味では、とても優れていると思います。
何かの原因で一度、抜けた髪は、その毛穴から再び生え戻ってくるのはだいたい7割くらいです。薬を使うことで抜ける量そのものが減れば、たとえ7割しか戻ってこなくてもダメージは少ないですよね。
いずれにせよ薬の役割は、手術で髪がそれ以上に抜けないように成長因子を増やすことであり、できるだけ副作用のない使い方をすることが大切です。