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自毛植毛 アンシェーブンi-SAFE

ほんの10年前は、自毛植毛といえば、切ったり、または大きなパンチでくり抜いたりそして縫ったりと、あまりスマートとはいえない、侵襲も大きく、ちょっと大変な手術が普通で、私も10年以上その方法でやっていました。それに対してFUEに分類される方法は、シンプルで侵襲も少なく、患者さんにとってずいぶん楽な手術であり、様々なアイデアの元、さらに洗練されて、現在では世界的にも主流となりつつあります。

しかしFUEでの患者さんにとっての新たな問題は、採取部分を大きく刈り上げる必要があることです。隠すためのアイデアはいくつかありますが、求められることは、刈らないままで採取をしてということです。そして、これこそ、究極の自毛植毛として、グローバルスタンダードになるべきものと考えています。そして、当院でも患者さんの特別申し出がない場合は、アンシェーブンで行けるようになれたらと計画しています。

FUE植毛ロボット

iSAFEのデメリットは?、多少手間がかかることと長時間の集中力を必要とすることくらいです。ここは出来るだけ器械をロボット化したいところですが、いまの段階ではロボット(たとえばARTAS(by Restoration Robotics Inc)など)の処理能力は全く人の作業に精度や速度で追いついていない状態ですし、切断を減らすためにパンチのサイズに大きさを必要とするため、その傷跡はやや目立つもので、最大でとれる数も少なく、取れたものをさらに手作業でトリミングしてグラフト化する必要があるなど(もちろん、アンシェーブンのような高度なこともできません)、まだ、客寄せパンダ・おもちゃのレベル、早く使えるロボット化を期待してはいますが、もう暫くは人の処理能力で頑張るしかないようです。

artas

比較内容
ARTAS
iSAFE
グラフトの精度と質パンチサイズが大きすぎて、人手でのトリミングが必要であり、マイクロパンチではない従来のパンチ法とかわらない質、パンチのサイズを小さくしようとすると、演算予測が不十分になり、切断率が高くなる。すなわち演算に用いるパラメータの数が少なすぎる。パンチのサイズはFUの大きさに合わせ、取れたものが必要十分で最小であり、そのままグラフトとして使用可能、これは、パンチを挿入するときに角度だけでなく伝わる微妙な感触までコントロールされるためである。
採取速度パラメータも不十分だが、それでも画像処理・演算に時間がかかり、1時間で500株が限界。取れやすさに左右されるが、1時間で1000~1800株と圧倒的に速い。
患者様が感じる負担ドナー部は緊張をかける必要があり、その器具の負担があり、座位で動きも制限され、固定されている感がある。時間も短いが、比較的楽な体位で、ほぼ眠った状態で受けられる。
施術後の傷従前のFUEと同じくパンチのサイズが大きく、虫食い痕が目立つ。φ0.65~0.85mmというマイクロパンチを使用しているため、虫食い痕は目立ちにくい。
安全性人が器械を使うというより、器械任せな部分が多く、安全センサーにより緊急停止するとはいえ、不安が残る。すべての器械の動きは施術者の管理下にある。
メリット・デメリット採取だけは機械任せなため差が出ないが、トリミングとインプラントは従前の方法とかわらず手作業なため、この部分で技術差が出てしまう。また、あまり大きい移植には使えない。手作業はあまりなく、ほとんどの過程で器械を使用してはいますが、それでも、長時間の集中力を必要とし、使いこなしによる施術者およびアシスタントの技術差が多少なりとも存在する。
時間はかかるが、4000グラフト(1万本)ほどまでは可能。