PRPとは、血液に含まれる血小板を多く含む多血小板血漿のことで、大まかに言えば、採血した血液に抗凝固剤を少し入れ遠心分離した時の上澄み液として得られるものです。有効成分はおそらく含まれるサイトカインや成長因子です。最近は様々な医療領域における安全性の高い再生医療として使用されています。たとえば歯科領域では、、歯周組織再生とくに歯が無くなったために吸収された歯槽骨の再生に盛んに用いられています。美容外科領域でも、皮下組織の再生を期待して、ボリュームだけでなく、シワ、たるみの改善のために用いられています。整形外科でも、筋・腱・骨の再生に用いられています。
しかし、これによって毛髪が再生されることがあるのかと言えば、毛髪が先ほどの例のような組織ではなく器官として作られているため、かなり難しく、よって、無くなったものはさすがに出てこない。しかし細く短かった毛が、多少ながら成長がみられ、太く長くなることがあるようです。もちろん永久的なものではないため、数週間または数ヶ月おきに繰り返す必要はあります。副作用らしいものはないため、使いやすいですが、その効果は安定していません。
当院での使用方法は、主として、手術中の採取毛の保存液として、また手術後の、直後の傷の治りを良くして、また移植毛の生着をよくするために使用しています。これだけの効果に限定すれば、それなりの結果を出してくれています。その中で、人によっては、既存毛が濃くなることがあるようなのです。