成長因子を使用しての治療におけるポイントは3点ほどあります。 どうやって作り、どの程度の頻度で、どの様にして適用するかです。 まず第一点はその作成法です。理想的には、目的となる成長因子を、E.Coli等へ遺伝子組み込みにより遺伝子工学的に精製することです。しかし最近使用されているものの多くは幹細胞などの培養液から抽出したもので、目的する成長因子が少ないだけでなく、目的としない、望まないものまで含ま…
フィナステリドもデュタステリドも、わずか数ヶ月の連用でもDNAダメージを持つ精子の確率が増加することが最近の研究で判っています。そのようなことは喫煙などでも起こることであり、あまり深刻な問題となることはないのかもしれません。それは実際受精して出産に至るのは正常な精子のことがほとんどであり、DNAダメージを持つ精子は大抵は受精できず、まれに受精しても流産を起こしてしまうからでしょう。それでも出産にま…
治療で大切なことは、効果の高さだけでなく、いかに副作用や合併症を少なくするかなのです。しかし、現在における薬は、男性型脱毛症AGAにおいてはある程度の結果を出してはいますが、やはり副作用の問題は置き去りのままです。副作用を考える必要のない手術でも材料となる自毛の数には限界があります。 脱毛の抑制 毛髪生育の活発化なら成長因子の投与で可能となってきましたが、脱毛の抑制となるとちょっと厄介です。 毛包…
採取部分(多くは後頭部)は、移植に使用する株を、その毛を作る工場毎採取するわけですから、移植部には新たな毛の工場が出来、採取部からは工場がなくなり、採取した箇所からは原則毛は生えませんので、手術での採取量が多くなれば多くなるほど、後頭部分の毛の本数は減ります。 時折、ネットでFUEはFUT(正確にはFUSS)に比べて、採取部がスカスカになりやすいという情報が流れていますが、その情報にはあまり合理性…
もちろん、アンドロゲン受容体ARのリガンドとなるのはDHTだけではないですが、多くはこのDHTによるものであるため、やはり、慢性的な男性ホルモン作用不足すなわち男性型更年期障害がおこることは明らかです。更年期障害は、男女限らず顕著に症状が現れる人もいますが、あまり問題とならないことも多い。しかし、このように少なからず副作用(多くは定量化しづらい)をもつ薬剤の長期連用においては、常にリスクベネフィッ…
また成長因子話題ですが。 ヒト皮膚幹細胞培養液やヒト繊維芽細胞培養液には様々な成長因子や酵素、SOD、コラーゲンやケラチン等の細胞外マトリックス成分が豊富に含まれており、これより、より目的に合うように精製していきます。 しかし純粋にヒト成長因子(FGF-7、VEGFなど)を作ろうとすれば、大腸菌を用い遺伝子工学的に作らせることになりますが、成長ホルモンやエリスロポイエチン同様、比較的高価です。 こ…