切るFUSSと切らないFUEを組み合わせるハイブリッドi-SAFEを始めましたが、今日診察致しました患者様から、刈るスタンダードと刈らないアンシェーブンのハイブリッドはどうなのかと、ご質問いただきました。なるほど、自毛で隠せる範囲の刈り上げからとそれを超えるものはアンシェーブンでという考えは、これもまた合理的で効率のいい方法なんだなと思い、今後はこの方法(ハイブリッドアンシェーブンと呼びましょうか)をメニューに加えたいと思います。
月別アーカイブ: 2015年7月
意外と存在する十代のAGA
あまり、意識していないせいか、十代でのAGAは無いように思われているのですが、大人になって受診される方の15%がすでに15歳前後で薄毛の発症を感じており、さらにわずかですが、十代前でも発症があるとの統計があります。
(この若年性のAGAとは別に、出生時に母胎の男性ホルモンの影響でAGAパターンをもつベビーがいます、出生後一年ほどで改善しますが、やはり、男性ホルモンの感受性が強い傾向にあり、その多くは将来AGAになるようです。)
AGAの内科的治療の主流は現在、男性ホルモンの作用を一部抑制するタイプの治療であるため、このような十代の生殖器のみならず体幹の成長期には使用できません。これに対して、脱毛を抑制するのではなく、成長を促進することで、薄毛を改善する代替法があります。その一つはミノキシジルです。さらに直接的に作用して副作用の少ない成長因子があります。また、そこまではと考えられてきた植毛も、侵襲の少ない方法が確立してきたため選択肢になりえます。
一度の手術で移植できる本数(ハイブリッドi-SAFE)
私のHPでも、一度で行える手術の上限はおよそ4000株(10000本)と記載しているのですが、東洋人において、ある程度AGAが進行しているケースでは、これはなかなか難しく、採取出来ても、手術時間は長く、後頭部の密度感は低くなりがちです。
そこで、多くの方で、この4000株(10000本)以上を手術できる可能性として、一つの解決法は、切るFUSSと切らないFUEを併用するハイブリッド法です。各々で2000株なら、切って縫った傷のテンションも低く抑えることができ、ある程度は気にならない程度の傷跡にできることが多く、採取も効率良く、時間も短縮できるのではないかということです。いくらかの切る方法のデメリットに目をつぶれば、数や時間の恩恵があると考えるのです。
以前、FUSSからFUEへの移行期に、ここまでの数ではないですが、ハイブリッド法を行ったことが何度かあり、経過に問題が無いことは確認済みです。