成長因子はどうやって作る

また成長因子話題ですが。

ヒト皮膚幹細胞培養液やヒト繊維芽細胞培養液には様々な成長因子や酵素、SOD、コラーゲンやケラチン等の細胞外マトリックス成分が豊富に含まれており、これより、より目的に合うように精製していきます。

しかし純粋にヒト成長因子(FGF-7、VEGFなど)を作ろうとすれば、大腸菌を用い遺伝子工学的に作らせることになりますが、成長ホルモンやエリスロポイエチン同様、比較的高価です。

この二つの方法って、光脱毛での、レーザー方式とフラッシュライト方式に似てますね。フラッシュライト方式では、様々な波長の光から目的に合った光をフィルタリングすることが大切ですが、培養液からつくる成長因子でも同じことがいえます。

挿絵はhttp://www.anti-ageing.co.jp/より

PRP(多血小板血漿注入療法(Platelet Rich Plasma))もまた、血小板が放出する様々な成長因子GFを利用した方法といえます。PRPはワンショットで使用するものであり、継続的使用が出来ないため創傷治癒や移植片の生着などの急性期には有効であるかもしれません。ただ、成長因子を選べてないところが気にはなりますね。

AAPEもヒト脂肪細胞由来幹細胞を培養して得られる種々の成長因子を含むタンパク質。(これを使ってるのがHARGです、多種の成長因子が含まれることを売りの一つにしていますが、それは望まない効果の成長因子を含むかもしれず、また逆に望むものの量が少ないとも言える、またこれを月に1~2回局所注射して謳ってる効果が出るとは考えにくいです。)

フィブラストスプレー  主成分トラフェルミンは遺伝子組み換えで作成されるヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)製剤、創傷(火傷、褥瘡等)治癒促進の目的で使用されています。さすがに遺伝子工学的に作られている医薬品ですので高価です。費用対効果はどうでしょうか。

投稿者プロフィール

井上 浩一
井上 浩一アスク井上クリニック 院長
経歴
1988年 熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部付属病院 勤務
1989年 某大手美容整形外科クリニック 本院勤務
1998年 都内美容外科クリニック 院長就任
2002年 米国での自毛植毛研修を経て、植毛クリニック開院
2006年 某大手植毛クリニック 院長就任
2014年 アスク井上クリニック 開院