採取部分はどうとるか

多くのクリニックでこの採取部はわりと雑に扱われているところではあり、術後に採取部がはがき状に薄かったり、円形脱毛でもあるのかと思うくらい偏って採取してあったりするのをよく見かけます。
患者さんもそういうものかと諦めているのかもしれませんがそうではないのです。
これは医者がきれいに仕上げようと思う気持ちがあればある程度は防げるリスクなのです。

採取部分の決定で考えることはまず2つ、一つはできるだけ傷跡を分散させるためにも広範囲とする、もう一つはできるだけ狭くして最終部分を隠しやすいようにすることです。
この相反する要素を患者さんとの診察ですり合わせをやっていくことになります。
また、分散することが容易なアンシェーブンという方法がありますが、それでもあまり広範囲だと麻酔の量も増えたりしてやはりすり合わせは必要です。
採取時はできるだけ均等に採取すること心がけ、取りやすいとこからどんどん取るという他院でよく見かける乱獲は絶対にしてはいけないことですね。

また、他院手術後かなり採取部分が悲惨になっている場合もある程度は修正できます。
方法は、やはり移植、ドナーがどうしても足りないならヘアタトゥーとなります。

投稿者プロフィール

井上 浩一
井上 浩一アスク井上クリニック 院長
経歴
1988年 熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部付属病院 勤務
1989年 某大手美容整形外科クリニック 本院勤務
1998年 都内美容外科クリニック 院長就任
2002年 米国での自毛植毛研修を経て、植毛クリニック開院
2006年 某大手植毛クリニック 院長就任
2014年 アスク井上クリニック 開院