誰でも分かる自毛植毛の歴史 前編

「自毛植毛は新しい技術?歴史は古い?」

初めて自毛植毛をしようか悩んでいる方は、自毛植毛自体の歴史が気になるのではないのでしょうか。こういった類の質問は、医師に相談するのも躊躇してしまいますよね。どちらかといえば雑談の類。診察のときにする質問ではないのではという気持ちになってしまうのも仕方ありません。

しかし、植毛を考えているのであればその歴史が浅いのか古いのか、はたまたどういった経緯で現在の自毛植毛へと発展していったのかを知ることも大切ではないでしょうか。サッカーや野球などのスポーツもそうですが現在に至るまでの歴史を知ることで、興味や関心がより一層高まります。

自毛植毛の歴史を紐解いてみましょう。

初期の自毛植毛

自毛植毛の歴史は1800年代だといわれ、最初に海外で考案されました。脱毛治療のための皮膚移植から発展してきました。

しかし現代の自毛植毛治療を確立するパイオニアはなんと日本人の医師たちであったのです。1930年、笹川正男医師が特殊な針を使い、折り曲げた髪の毛を頭皮に挿入、きちんと定着したことを確認しました。1936年には慶応大学泌尿器科教授の田村一先生がアンダーヘアに単一毛で植え込むことに成功。自然に植毛するためには小さな株で植え込むことが良いという見方を発表しました。また1939年には奥田庄二医師がパンチ式植毛法の論文を発表しました。

奥田医師は患者本人の髪の毛を使う自毛植毛以外にも、他人の毛を移植したり、動物のヘアの生着性を確かめていたそうです。そして、植毛は血縁者であっても他人の毛は壊死を起こして生着しない、頭髪、髭、眉毛など200以上に及ぶ臨床実験で約100%の生着が得られた、2.5〜4.0mm口径の円鋸(金属円管)を使用すると良かったと発表したとのことです。

自毛植毛技術は日本が先行

ただこの論文が発表されたのは戦時中でした。貴重な研究成果ではありましたが、国内外に知られることはなく埋もれてしまいました。奥田医師の業績が広く知られるようになったのは、なんと2003年以降のこと。ちなみに奥田医師の功績が広まる前は、アメリカの皮膚科医ノーマン・オレントリック医師の「ノーマン法」がパンチ式植毛法の元祖だと考えられていました。

しかし1970年に奥田医師の過去の論文が発見されることで、日本の技術が実は先行していたことが明らかになるのです。自毛植毛の発展の影に日本人医師たちの多大な貢献があったのですね。

 

パンチグラフトからマイクログラフトへ

先程も述べました通り、1960年ごろから直径3〜4mmの円筒型のパンチを使い、一度に10本以上の髪を採取して移植するパンチ式植毛が主流となりました。

生着率は約97%と高かったのですが、生え際が不自然になるという問題もありました。パンチグラフトは田植えと同じように一定の感覚で植毛していくので、どうしても隙間ができたのです。

それからはどうやってその不自然さを無くしていくかが課題となりました。その後生み出されたのが、マイクログラフト・ミニグラフト植毛でした。1株が4〜6本のものをミニグラフト・1株1〜3本のサイズをマイクログラフトと呼び、当初はパンチ式植毛の微調整の役割という位置づけでした。しかしやはり効率よりも見た目の美しさから、マイクログラフトが主流になっていきました。

1991年、ブラジル人の医師が、それまでパンチグラフトの補助的な役割だったマイクログラフトとミニグラフトの植毛を全てのヘアに適応した症例を報告。最初は小さな株をたくさん植えると効率が悪く生着率も安定しないというデメリットがありましたが、技術革新もあり1990年代の半ばまでには標準的な方法としてマイクログラフト植毛が世界でメジャーになりました。

そして時代は流れ、FUT法が登場します。続く。

 

iPS細胞と自毛植毛

iPS細胞。京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことで知った人も多いのではないのでしょうか。最近では厚生労働省の専門部会が、iPS細胞を使って脊髄損傷を治療する慶応義塾大学の臨床研究計画を了承したというニュースが話題になりました。これはiPS細胞から作った神経のもとになる細胞を患者に移植し、機能改善につなげるという世界初の臨床研究となります。この研究は2019年夏頃から始まる予定です。目や心臓、脳の神経、血小板に続き、実際に患者に移植する再生医療の研究が広がっています。

そしてこのiPS細胞。病気の解明や新薬開発だけでなく、薄毛治療に関しても期待されています。

iPS細胞と薄毛治療にどういった関係があるのか、それは果たして実現可能なのか。ハゲや薄毛で困る人がこの世の中からいなくなるということなのか。

詳しく説明します。

iPS細胞って何?

人間の皮膚などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力を持つ、多能性幹細胞に変化します。 この細胞を「人工多能性幹細胞」と呼びます。英語では「induced pluripotent stem cell」と表記しますので頭文字をとって「iPS細胞」と呼ばれています。 名付け親は、世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授です。

体細胞が多能性幹細胞に変わることを、専門用語でリプログラミングといいます。 山中教授のグループが見出したわずかな因子でリプログラミングを起こさせる技術は、再現性が高く、また比較的容易であり、幹細胞研究におけるブレイクスルーと呼べます。(京都大学HPから引用)

簡単に説明すると、iPS細胞は人間の細胞にごくわずかな因子を注入。培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化、増殖する能力を持った細胞なのです。

つまりこれまでは不可能と思われていた治療が可能になります。

頭皮に髪がない人にiPS細胞を移植すれば、髪が生えてくる可能性があるということです。薄毛で悩む方にとってこれほど頼もしい治療法はありません。

現在の自毛植毛に応用できるといわれています。定着率も高くなることが予想されます。

iPS細胞を使った自毛植毛とは

iPS細胞はまだ実験段階の新しい研究です。あくまで一例としてお考えください。

iPS細胞により健康な頭皮のもとになる細胞を作成できれば、無制限にその細胞を増やすことができます。好きな場所に好きなだけ植毛できるということです。

また定着率も上昇します。自毛植毛は定着率が高いことで知られていますが、iPS細胞による治療は、DHT(AGAの原因となる男性ホルモン)の分泌が少ない後頭部から細胞を採取して培養。一度発毛に成功すれば、理論上は長期にわたって生え続けます。

課題・問題点は?

理化学研究所(理研)、オーガンテクノロジーズ、北里大学は2016年、マウスiPS細胞から、毛包や皮脂腺などの皮膚付属器を持つ「皮膚器官系」を再生する技術を開発しました。つまりは、マウスiPS細胞で毛包や皮脂腺などを持つ皮膚器官系の再生に成功したということです。

マウスでの実験段階であり、人への応用はまだまだ課題が山積しているのが現状です。しかし着実に研究は進んでいるようです。

問題点ですが、費用面で負担額がいくらになるかということです。現段階ではかなり高額な治療になると思われます。

実現できたとして、費用がこなれてくるのはまだ大分先のことになるでしょう。そのため「iPS細胞が実用化してから植毛しよう」という選択肢はオススメできません。

植毛をお考えの方はやはり若いうちに、自毛植毛手術を受けるべきです。その際は症例数が多い医師のいる信頼できるクリニックを選びましょう。

自毛植毛は長持ちするのか

「自毛植毛はコスパが良い」とよく聞きます。一度定着した髪の毛はいつまで保てるのか気になりますよね。

中には「半永久的にハゲない」という声も。薄毛に悩んでいる方からすれば朗報ですが、半永久的と言われるとにわかには信じがたいものです。

半永久的とは言わないまでも植毛した髪の毛はどのくらいの期間、長持ちするのか順番にお答えします。

 

自毛植毛は髪がなくてもできる?

育毛剤を使えば髪が多少細くなった程度である場合、髪が元のように太くなることはありますが、すっかりハゲ上がってしまった頭皮には効果がありません。頭皮にある毛包そのものが失われてしまっているからです。このような状態になると薬で対処することがかなり難しくなってきます。

では自毛植毛の場合はどうでしょうか。髪がなくなったといっても、ほとんどの方は前頭部分や頭頂部の状態のことをおっしゃいます。髪が一本もないという方は少なく、後頭部にはびっしりと健康的で丈夫な髪の毛が生えそろっています。

自毛植毛では、後頭部や側頭部の丈夫な髪の毛を使用します。これらを頭頂部などの薄くなってしまった部分に移植するのです。

現在の主流はFUE法というメスを使わない手術です。この手術では毛根を1本ずつ採取し、髪の毛の向きなどに気をつけながら植え付けます。自然な見た目を維持出来るうえ、体の負担も少ないので人気が高いのです。

自毛植毛手術は2017年に発表された日本皮膚科学会のAGA(男性型脱毛症)診療ガイドで、フィナステリドやミノキシジルといった医薬品に対する推奨度Aランクに次いで、推奨度Bランク(行うよう勧められる)の薄毛治療法として評価されている科学的根拠のある外科手術です。自毛植毛は移植された移植毛の生着率が95%以上と高く、移植してしまえばどんな方でも高い確率で髪の毛が生え薄毛の改善が可能になります。

 

自毛植毛は一度定着したら長持ちする?

結論から申し上げますと、植毛で定着した髪の毛は長持ちします。それは毛根ごと移植しているためです。通常の髪の毛と同じく、一度抜けても再び生えてきます。

逆に申し上げると植毛した髪の毛も必ず抜けます。髪の毛にはヘアサイクルというものがあり、休止期、成長期などを繰り返します。休止期に髪が抜けて、成長期に再び生える。つまり移植した髪の毛もなんら例外なく正常なサイクルを繰り返します、自毛植毛というのは髪の毛のシステムごと移植するものだからです。

また自毛植毛が長持ちするとは言えますが、半永久的とまでは言い切れません。人間の体質はそれぞれ異なりますし、髪の毛の状態も違います。通常の手術も100%成功というものはありません。自毛植毛は医療行為ですので完全に大丈夫、半永久的に安心と言い切れる種類のものではないのです。

しかし植毛は科学的証拠がある医療ですので、正しく手術が行われる限り自然の摂理でしっかりと生えてきます。

自毛植毛の注意点

自毛植毛は長持ちするのか―。というタイトル部分にも関わる重要なことをご説明します。植毛の定着率などは体質はもちろんですが、医師の腕が成功率に直結します。こちらも通常の手術と同じです。

ただ医師の腕は素人目にはとても優劣など分かりません。しかし、植毛業界にどれだけ携わっているか、手術の数をこなしているかというのはHPなどでも確認できます。

ベテラン医師は全国的にまだまだ少ないのが現状です。

まとめ

一度も植毛をしたことのない方は、植毛の効果を信じられなくて当然ではないでしょうか。しかし実際に育毛剤で改善しなかった方が、植毛によって発毛効果を実感している事実があります。悩んだらまずは専門のクリニックの医師に相談することをオススメします。

カツラか自毛植毛か(カツラについて)

男性、女性に限らず加齢とともに頭髪の隙間が気になる人の割合が増えていきます。薄毛状態になってしまった場合、やはり人目が気になりますよね。伸ばした髪をジェルで固め薄い部分を隠せる程度ならいいのですが、脱毛症が進行するとそれすら難しくなります。

カツラにしようか、自毛植毛にすべきか、薬剤治療をもう少し頑張るか…。費用も安くはありませんので慎重に考えざるを得ませんよね。

今回は「カツラ」に焦点を当て、説明させていただきます。
カツラはウィッグとも呼ばれ、男女どちらも利用できます。

カツラとは

人の頭部に被せる人毛もしくは人工的な髪のこと。使用方法は多岐に渡り、今回のように薄毛を隠す目的のほかに、役者が演技の際に変身の意味合いとして使われることもあります。

その歴史は古く、エジプトやギリシャの古代文明の時代から使用されていたといわれています。頭皮一体型のものだけでなく、部分的に使用する用途のカツラもあり種類は豊富です。

カツラのメリット

自然な見た目にできる

人口皮膚を採用したり、違和感のないキューティクルを再現しているのが最近のカツラ。見た目では以前に比べ格段にバレにくくなっています。完全オーダーメードで作ることもできます。

その際、髪質はもちろん、頭とカツラの境目も自然の状態に近づけますので、ますます見た目にも分かりづらくなります。

ストレスの軽減、やる気の向上

自分にフィットするカツラであればそう見た目を気にする必要がなくなります。ストレスは軽減され、やる気や自尊心の向上につながるのではないでしょうか。コンプレックス解消というのは見た目的にもそうですが、精神医学の見地からもその必要性が叫ばれています。「自信」が回復するということは、それほど心身に良い影響を及ぼすのです。

カツラのデメリット

費用がかかる

「カツラがいいのは分かった。ところで料金はどうなの?」と疑問に思いますよね。カツラは多種多様な用途に使われ、種類も豊富。安価なものから高価なものまでそろいますが、薄毛対策用であれば、スペアと2個セットで5~60万円かかると思ってください。

カツラに使う人口毛は使用年数にも限度があります。半永久的に使えるというものではありません。2、3年。長くても4~5年で買い替えとなります。

専用シャンプーも必要、装着時に使うテープ代もあります。

メンテナンスが面倒

カツラは髪の毛と違うので、洗髪時は取り外すなどしカツラ専用シャンプーで洗います。

また自然な見た目も維持しなければなりません。カツラの毛は伸びませんが地毛は伸びます。地毛部分を適切にカットするため、定期的な散髪が必要です。

通常の床屋さんでも散髪できますが、カツラバレの心配がある場合はかつらメーカーでの散髪となります。

メーカーではカツラのメンテナンスもしてくれます。それを含めて4~5000円定期的に使うことになります。

触られると分かる

技術力でカツラの見た目は大分進化しました。しかし、何らかの拍子で頭に触れられると…バレる可能性はあります。

カツラの一般的な取付方法は3~4点の固定方式です。頭頂部の左右と後頭部にある止め具で、パチっと自毛をはさみます。そして生え際の人工皮膚の裏側に両面テープを貼り装着します。

留め具の位置に段差が出来ますので、触られると分かってしまいます。

まとめ

カツラは使い始めると簡単にやめることができません。最終手段として考えましょう。まずは薬剤治療、続いて自毛植毛と段階を踏むべきです。自毛植毛は、比較的薄毛になりにくい自身の後頭部の髪を前頭部などに移植。自分の髪の毛なので成長しますし、見た目にも違和感がないという点がオススメできます。

どちらにしても費用などを精査し、考えぬいて決断しましょう。

脱毛体質は遺伝だから仕方ない?

脱毛と遺伝の関係性

「オヤジが薄毛だからいずれ…」と悲観的に考える人も少なくありませんが、その心配はかなりの確率で当たっています。父親や母親の親戚筋が脱毛の家系である場合、自身もそうなる可能性があると思って間違いありません。
そのため、女性は結婚相手の家系をみれば、夫の未来の頭髪像をある程度予測できます。
遺伝しやすいのは、脱毛のなかでも「男性型脱毛」です。
といっても、脱毛そのものが遺伝するわけではありません。男性型脱毛は、男性ホルモンと5aリダクターゼという酵素、そして、男性ホルモンを補足するレセプターの3つが関係して起こります。男性ホルモンの分泌が旺盛で、かつ、レセプターが毛根周辺に存在し、5aリダクターゼの働きが重なって脱毛を招くというわけなのです。そういう脱毛しやすい条件の体質が遺伝するのであって、脱毛の家系であっても、条件が変化して薄毛にならない人もたくさんいます。
正しい理論に基づいて、間違いのないケアをし予防すれば、脱毛になる危険性はそれだけ小さくなります。

女性より男性が脱毛しやすい理由

髪は男性ホルモンの影響を受けやすいので、女性の場合は、体質遺伝の心配は少ないといえます。
ちなみに、昔、宮廷に仕えるために睾丸を切り取った中国の宦官には、男性型脱毛はないというデータがあります。
これは男性ホルモンの分泌が関係していることを如実に物語っています。もっとも、あくまで男性型脱毛の場合であって、他の原因での脱毛は起こり得ます。
男性ホルモン、女性ホルモンでいえば、ヒゲは男性ホルモンの影響下にあり「ヒゲの濃い人は髪が薄い」という説も、あながち間違いとはいえないでしょう。
さらにいえば「薄毛の人は精力的だ」という説も男性ホルモンの分泌が旺盛であると考えればうなずけます。

 

脱毛の遺伝子検査とは?

脱毛の遺伝子検査は、病院の皮膚科や脱毛専門のクリニックなどで受けることができます。また、市販の遺伝子検査キットも販売されているため、自宅で検査をすることも可能です。ここでは、脱毛の遺伝子検査について説明していきます。

AGA(男性型脱毛症)の発症は、遺伝的要因が関与していることが明らかにされています。
遺伝子の99.9%はどのような人でも同じ構造をしていますが、残りの0.1%の違いにより、肌や目の色、病気のかかりやすさ、薬の効果のでやすさなどの「個人差」が生じます。このわずかな違いは「SNP(スニップ)」と呼ばれています。AGAを発症した人達には、いくつかの共通したSNPが発見されており、今後新たな遺伝的特徴が発見される可能性もあります。

また、以前はAGA発症との関連が指摘されていたものが、新たな研究によって否定されることもあります。市販されている遺伝子検査キットは、複数指摘されているSNPの1つを調べるものとして考えられています。よって、信憑性については多少の疑問が残ります。詳細な検査を希望される場合は、かかりつけの主治医に相談するのが一番良いでしょう。

病院でAGAの遺伝子検査を受けられる場合がありますが、AGAは医療保険が適用にならない疾患なので、検査や治療も全て、自由診療で行われます。医療機関によって料金設定が変わるため、AGAの遺伝子検査は一律料金が定められていませんが、相場としてはおよそ2万円程度と考えられます。検査の料金に加え、どのような遺伝子を調べられるかなどを主治医にしっかり相談することをおすすめします。

AGAの遺伝子検査は、市販の遺伝子検査キットを用いて自宅でも簡単に検査をすることが可能です。
AGAの遺伝子検査キットは複数の会社からインターネット販売されています。検査キットの相場は1万円〜1万3,000円程度ですが、販売会社によって検査方法や調べられる内容、料金などが異なります。また、病院での検査と同じく、検査結果の信憑性については、医学的根拠が乏しい場合もあるということを知っておきましょう。

薄毛にパーマはダメ?自毛植毛にすべきか

「薄毛を隠したい…」年齢を重ねるたび、大勢の人がAGA(男性型脱毛症)などの薄毛症状に悩まされます。カツラ、帽子、ワックスで固める、自毛植毛するなど、対策として様々な選択肢が考えられます。今回はその中でも最もオシャレな対策といえる「パーマ」について説明します。パーマで隠れるならいいけど、そもそもパーマ自体が薄毛の原因になるのでは?という疑問にもしっかりお答えします。

パーマの種類

パーマという言葉は略称。正式にはパーマネントウェーブです。化学反応を用いてウェーブを人工的に作る行為。パーマを分かりやすく大きく分けると、熱を加えるデジタルパーマと薬剤のみでパーマをかけるコールドパーマに分けることができます。デジタルパーマはふんわりと仕上がるので女性に人気。コールドパーマはピンパーマ、ツイストパーマ、スパイラルパーマなどがあり、髪が短くても施術可能なものもあるので男性にとってメリットの多いパーマです。

パーマ液について

パーマ液はほとんどが強力なアルカリ性で、PH9.0程あります。パーマ1液には主成分のチオグリコール酸が配合され、パーマ2液に同様の強さといえる臭素酸ナトリウムが含まれています。どちらも強い化学薬品です。

当然パーマを繰り返すと髪は弱くなります。ブリーチなどと同様、頭皮にも付着します。頭皮トラブルの湿疹、皮膚炎、かゆみ、フケなどを引き起こします。

パーマをかけたら薄毛が進むの?

パーマは髪の毛にかけるものです。しかしパーマ液は気をつけても地肌に付いてしまいがち。そのときの頭皮の炎症で脱毛になることはあります。しかし肌への刺激は時間と共に回復します。その間は約3カ月。肌が生まれ変わるサイクルをターンオーバーと呼びます。パーマをかけるときは最低3カ月期間を空けましょう。また頭皮に炎症がある場合は収まってから施術しましょう。

炎症などがなかった場合、必ずしも薄毛になるということはありません。しかし頭皮へのダメージが薄毛の原因となることは言うまでもありません。

薄毛の人はパーマNGってこと?

パーマをかけることによって気軽にオシャレを楽しめます。またやり方によっては薄毛を目立たなくさせる効果も期待できます。ストレスの軽減にもつながるので、どうしてもパーマをかけたいという場合は我慢しないほうが良いかもしれません。


薄毛だからといってオシャレをしてはダメだというのは少し暴論です。パーマをかける頻度を減らす、薬剤など弱めのものを使うなど、ダメージを最小限に抑えながらヘアアレンジを楽しみましょう。

頭皮のケアについて

パーマを楽しむ場合頭皮のケアは絶対に行ってください。長期的な脱毛リスクを抑えることができます。オシャレを楽しみながらケアを怠らない。これが結果として、脱毛の原因の一つであるストレスを防ぐことになります。

シャンプーを見直す

メディアでは髪の質感と香りにこだわったシャンプーが多く取り上げられているように思われます。CMなどではそれが顕著です。しかしここは地肌に優しいアミノ酸系のシャンプーを使ってみましょう。頭皮がしっかりしていれば、丈夫な髪の毛が生えてきます。

食事・睡眠に気を付ける

無理なダイエット、夜更かしは髪に決して良い影響を与えません。

食事は3食バランス良く摂りましょう。亜鉛やミネラルは髪の成長を助けます。適度に摂取しましょう。

睡眠は髪や肌に効果的な成長ホルモンの分泌をスムーズにします。質の良い睡眠を得るために工夫をしましょう。睡眠前のルーティーンを決めるといいかもしれません。ホットミルクを飲む、ストレッチをする、お風呂に入るなど。毎日繰り返しパターン化させると体が自然に睡眠に向かうようになるでしょう。

まとめ

パーマで薄毛を隠すといっても限度があります。薄毛が気になりだしたらまずは植毛の専門家に相談してみることをオススメします。自分自身の薄毛の進行具合が分かり、それぞれに合った治療法を教えてくれますよ。