ヘアカラー剤がドラッグストア等で手軽に手に入れられるようになり、染色が一般的になりました。最近では、可愛いからという理由でお子さんの髪を染める親が増えてきています。
手軽に見た目を変えることができるカラー剤。大人でも頻繁に使用すると髪だけでなく、頭皮にも深刻な影響を与えることが分かっています。子供に使用した場合のリスクなどについて説明していきたいと思っています。
子供に染色はOK?
NGです。幼少期に髪を染めることはリスクでしかありません。カラーをすることで髪や頭皮へ届く栄養の流れを妨げる場合もあります。頭皮に直接カラー剤が付着すると炎症を起こすこともあるのです。
子供の髪の状態
幼少期の頭皮は大人と違い柔らかく、外部からの刺激を受けやすい状態です。大人に比べて髪の毛も細く、頭皮もデリケート。汗や頭皮の汚れは日頃からしっかりと洗い落す必要があります。清潔な状態を保つことが何よりも重要です。
子供たちは外でよく動き、汗をかきます。紫外線を受けやすい環境にあるので、ダメージが蓄積しキューティクルが傷みやすいのです。
髪質も大人と子供では異なります。髪は大人になるにつれ太くなります。子供の頃は直毛だったけれども大人になって癖毛に変わる人もいます。
子供が染色する危険性
先述したように、子供と大人では髪も頭皮も状態が異なります。そのため大人の常識でカラー剤を使用すると危険な部分があるというのが分かると思います。
カラー剤によっては強い毒性をもつ成分を含んでいるものもあります。場合によっては強い皮膚炎や呼吸困難になるケースもあります。頭皮が弱いうちからカラー剤を使って髪を染めると、カラー剤が頭皮にたまるので、髪や頭皮のほかに健康面での心配もあります。
被害報告の中には、髪が抜け落ちてしまった、顔が大きく腫れて目も開けられない、指先にまで広範囲に炎症が広がった、など重症化してしまったケースも多々あるとのことです。点滴治療や入院治療が必要となるなど、大きなリスクと隣合わせなのだと理解して下さい。
重症化すると完治が難しく、後遺症により二度とカラーリングすることが出来なくなります。ヘアカラーによるトラブルの相談は消費者庁に5年間で1千件以上報告されているとのことです。
少量ならOK?
「大人用なら成分も強めだから薄める、もしくは少量なら大丈夫かな」。そのような安易な発想は危険です。カラーの薬剤を一般的な薬に置き換えてみてください。大人用の薬は例え少量だとしても子供に使うことはできませんよね。それと理由は同じです。
子供の方が大人に比べて代謝能力、排泄能力も未発達です。内臓も未成熟です。大人用は決して子供に使用しないようにしましょう。
子供の皮膚は柔らかくて薄いので、化学物質に敏感に反応してしまう恐れがあります。
どうしても染めてあげたいとき
染めるのは基本的にNGですが、妥協点として提示出来るのがヘアクレヨンやヘアチョークです。髪の表面のみに色がつく仕様です。洗髪すればすぐに色が落せるので、身体に影響する毒性は低いです。
あらかじめ色のついたエクステ(つけ毛)をつけるという方法もあります。髪に留められるようにクリップやピンがついています。
まとめ
小学校などに通うようになると髪が染められないという理由で、小さいうちにカラーリングさせたいという親御さんもいると聞きます。消費者安全調査委員会によると、子供のうちからカラーリングをするとアレルギーリスクが高くなるとのことです。
皮膚トラブルが重症化した後では、オシャレも何もあったもんではありません。
お子さんの将来のために、なるべく身体に負担をかけさせない方向で、オシャレを楽しみましょう。