ユーメラニンとは?
体内で多く生成される色素「メラニン」の一種。
真性メラニンと呼ばれることもある。また、単に「メラニン」と書いてある場合はこのユーメラニンを意図していることも少なくない。
頭髪のメラニンは毛穴のメラノサイトで作られている。メラノサイトとはメラニンを産生する細胞のことである。メラニンはメラノソームという袋状の細胞小器官の中で生成され、メラノソームはメラノサイト内でのみ形成される。ユーメラニンは頭髪の色を黒色や褐色に変える性質を持っている。しかし加齢とともに減少する傾向があるため、ユーメラニンが減ることで白髪が増えると考えられている。
人種によってユーメラニンの含有量は異なるが、黒人がもつメラニンのほとんどがユーメラニンである。また、日本人の頭髪にも非常に多く含まれている。もっとも日本人同士で比較しても、その量にはかなりの個人差がある。
メラニンは、日常の思わぬ点で私たちを支えている。紫外線(UV)を浴びると、メラノサイトが一時的に、過剰にメラニン色素を生成する。なぜメラニン色素は生成されるのか。メラニン色素がなければ、皮膚の奥深くまで紫外線が入り込み、紫外線を少量浴びただけで、水ぶくれや炎症を起こすようになるからである。また、紫外線によってDNAを破壊され、皮膚癌などをひきおこしてしまう場合もある。メラニン色素は私たちの体を紫外線から守るという大切な働きをしているのである。
しかし、メラニンには欠点も存在する。先述のように、ユーメラニンの減少により毛髪の色が白く変化してしまうのだ。メラノサイトの働きが悪くなる原因は、過度のストレスやバランスの悪い食生活、睡眠不足などの悪い生活習慣であると言われている。健全な生活を送ることは、メラニン減少の抑制のみならず、心身の健康にもつながるであろう。
このように、メラニンはさまざまな立場・役割を通して私たちと深い関わりをもっているのである。