世界で自毛植毛は行われているのか

日本は世界第三位の経済大国なので、医療の分野でも比較的新しい術式や技術が、すぐに導入されます。このとても恵まれた環境を私たちはしばしば忘れてしまいそうになります。

また日本は英語圏ではないため、国民全体でみると世界の事情にとても疎いといわれています。これはある程度は仕方のないことではあります。

さて、自毛植毛においてはどうでしょうか。世界で実際に行われているかどうかについて解説致します。

世界で自毛植毛は行われている

アメリカでは、年間90万人が植毛治療を受けているといわれています。一般的なものとなっているようです。またオーストラリア、カナダのほか、イギリス、イタリア等ヨーロッパ諸国でも自毛植毛は行われています。

隣国の韓国では、植毛の公的健康保険適用を公約に掲げる候補者もおり、あと一歩のところまで迫りました。

このように植毛は決して日本だけではなく、世界各国で広く行われているということがわかります。

確実性の高さ

需要が増えてきている理由の1つに自毛植毛の確実性を挙げる方がいます。薬を使う薄毛治療は、治療費が膨大にかかります。また効果を実感するまでに時間もかかります。これがデメリットになっています。人により効果に違いもあるため、確実に効果を得られると断言できないのです。

こちらと比較すると自毛植毛は効果がすぐ分かります、効果が実感しやすいのです。それにくわえて植毛技術が発展し安全性も高まってきたこともあると思われます。

それなりに安全な治療であることが認識されるようになってきたため、治療を受ける人も増え、世界中に広がったのでしょう。

需要の発掘も

植毛は男性だけの治療方法ではありません。女性の薄毛治療も最近ではかなり多いです。女性の薄毛は男性とはまた違いますが、これが潜在的な需要を掘り起こしたとされます。植毛件数の増加に結び付いていることは間違いないでしょう。

それから、途上国の経済成長がその国の富裕層の植毛に結びついている。これも極めて大きな理由です。経済的成長と市場拡大に比例して植毛の需要も増えている国もあります。

自毛植毛と人工毛植毛

自毛植毛とよく比較されるのが人工毛植毛です。

人工毛植毛は自毛植毛と違い、ポリエステルやナイロンで作られた人工の素材を頭皮に植えこむというものです。アメリカでは問題のある増毛法とされ法律で禁止されています。

一方,人工毛植毛術については,過去に多くの有害
事象の報告があるため70),米国の食品医薬品局(Food
and Drug Administration)は人工毛自体を有害器具と
して指定し,人工毛の使用を事実上禁じている71)

出典 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

日本皮膚科学会のガイドラインによると、自毛植毛は勧められるという評価ですが、人工毛植毛はD評価と厳しいものになっています。

毛髪というものは構造上汚れがたまりやすく、少しずつ伸びることで埃を出しています。しかし、人工毛の場合、髪は一切成長しないため、このもともと備わった自浄作用が一切働きません。結果として炎症や化膿を引き起こしてしまい、血流の低下などを起こします。

また人体にとっては異物なため、拒絶反応を発生させる可能性もあるなど、危険度が高く、おすすめできません。

 

まとめ

世界で自毛植毛は行われているのかについてご説明しました。

自毛植毛は今後とも世界中で行われていくでしょう。今後は韓国のように公的保険の対象にするかどうかが、議論されるようになる未来が予想できます。植毛の普及事情も新たなステージに入りつつあると言えます。

 

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