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脱毛と遺伝の関係性
「オヤジが薄毛だからいずれ…」と悲観的に考える人も少なくありませんが、その心配はかなりの確率で当たっています。父親や母親の親戚筋が脱毛の家系である場合、自身もそうなる可能性があると思って間違いありません。
そのため、女性は結婚相手の家系をみれば、夫の未来の頭髪像をある程度予測できます。
遺伝しやすいのは、脱毛のなかでも「男性型脱毛」です。
といっても、脱毛そのものが遺伝するわけではありません。男性型脱毛は、男性ホルモンと5aリダクターゼという酵素、そして、男性ホルモンを補足するレセプターの3つが関係して起こります。男性ホルモンの分泌が旺盛で、かつ、レセプターが毛根周辺に存在し、5aリダクターゼの働きが重なって脱毛を招くというわけなのです。そういう脱毛しやすい条件の体質が遺伝するのであって、脱毛の家系であっても、条件が変化して薄毛にならない人もたくさんいます。
正しい理論に基づいて、間違いのないケアをし予防すれば、脱毛になる危険性はそれだけ小さくなります。
女性より男性が脱毛しやすい理由
髪は男性ホルモンの影響を受けやすいので、女性の場合は、体質遺伝の心配は少ないといえます。
ちなみに、昔、宮廷に仕えるために睾丸を切り取った中国の宦官には、男性型脱毛はないというデータがあります。
これは男性ホルモンの分泌が関係していることを如実に物語っています。もっとも、あくまで男性型脱毛の場合であって、他の原因での脱毛は起こり得ます。
男性ホルモン、女性ホルモンでいえば、ヒゲは男性ホルモンの影響下にあり「ヒゲの濃い人は髪が薄い」という説も、あながち間違いとはいえないでしょう。
さらにいえば「薄毛の人は精力的だ」という説も男性ホルモンの分泌が旺盛であると考えればうなずけます。
脱毛の遺伝子検査とは?
脱毛の遺伝子検査は、病院の皮膚科や脱毛専門のクリニックなどで受けることができます。また、市販の遺伝子検査キットも販売されているため、自宅で検査をすることも可能です。ここでは、脱毛の遺伝子検査について説明していきます。
AGA(男性型脱毛症)の発症は、遺伝的要因が関与していることが明らかにされています。
遺伝子の99.9%はどのような人でも同じ構造をしていますが、残りの0.1%の違いにより、肌や目の色、病気のかかりやすさ、薬の効果のでやすさなどの「個人差」が生じます。このわずかな違いは「SNP(スニップ)」と呼ばれています。AGAを発症した人達には、いくつかの共通したSNPが発見されており、今後新たな遺伝的特徴が発見される可能性もあります。
また、以前はAGA発症との関連が指摘されていたものが、新たな研究によって否定されることもあります。市販されている遺伝子検査キットは、複数指摘されているSNPの1つを調べるものとして考えられています。よって、信憑性については多少の疑問が残ります。詳細な検査を希望される場合は、かかりつけの主治医に相談するのが一番良いでしょう。
病院でAGAの遺伝子検査を受けられる場合がありますが、AGAは医療保険が適用にならない疾患なので、検査や治療も全て、自由診療で行われます。医療機関によって料金設定が変わるため、AGAの遺伝子検査は一律料金が定められていませんが、相場としてはおよそ2万円程度と考えられます。検査の料金に加え、どのような遺伝子を調べられるかなどを主治医にしっかり相談することをおすすめします。
AGAの遺伝子検査は、市販の遺伝子検査キットを用いて自宅でも簡単に検査をすることが可能です。
AGAの遺伝子検査キットは複数の会社からインターネット販売されています。検査キットの相場は1万円〜1万3,000円程度ですが、販売会社によって検査方法や調べられる内容、料金などが異なります。また、病院での検査と同じく、検査結果の信憑性については、医学的根拠が乏しい場合もあるということを知っておきましょう。
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