薄毛は自己流で治るのか

薄毛が目立ってきた。誰にもばれずに治す方法はないのか―。これは薄毛症状が出た方全ての人が真っ先に考えることです。薄毛は恥ずかしい。だからさっさと治療してしまいたい。どんな手段を使っても。ということで、専門家から見てもとても効果があるとは思えない怪しげな民間療法に手を出す人もいます。

これらは薄毛に関する知識が乏しいがために起こる悲劇です。薄毛に真摯に向き合い、その性質をしっかりと理解すれば、効果が全くない治療に余計なお金を使わなくて済むのです。

ここでは薄毛というものは自分自身の力で改善できるものなのか。ということを中心に説明させて頂きます。

薄毛の原因とは

薄毛の原因として多くを占めるのがAGA(男性型脱毛症)です。これはヘアサイクルが男性ホルモンの影響により乱されるという脱毛症なのです。

じつはAGAはかなり遺伝しやすく、家族にAGAの人がいた場合なりやすい可能性があります。そして 食生活や生活習慣もじつは髪の毛に大きな影響を与えます。つまりは栄養バランスが偏った食事ばかりしていると、十分に髪の毛の生成に必要な栄養が摂取できないのです。それから飲酒や喫煙は血管を収縮させます。なんと頭皮や髪の毛に悪影響を及ぼすのです。頭皮環境の悪化ももちろん薄毛を進行させる原因となります。そしてパーマ液や紫外線は頭皮に大きな負担をかけます。要注意点として、頭皮に合わないシャンプーの使用も頭皮環境を悪化させる原因なのです。

AGAはジヒドロテストステロンが毛母細胞に特に悪影響を及ぼすことが原因と言われています。そしてストレスも薄毛の原因になりえます。自律神経やホルモンバランスが乱れることで、血行不良になります。髪に栄養が行き渡らなくなります。不眠、食欲不振、ストレスによる間接的な影響が髪の毛の成長を妨げる場合もあるのです。もちろん個人の体質も関係しています。甲状腺の病気や糖尿病など、病気の前兆として薄毛になることもあります。

生活習慣の見直しの効果

ストレスが薄毛の原因となりうることもあります。血液の循環が悪いと薄毛になりやすいからです。まず注意が必要なのが過度なストレスです。ストレスが過大になると、血の巡りに影響を及ぼします。その結果血行不良となり、薄毛になるのです。

そして大事なのが睡眠。髪の成長には睡眠中に分泌される成長ホルモンがかなり大事な役割を担っています。毎日必ず6時間以上は眠るようにしましょう。良質な睡眠を取ることが心身の状態を良好に保つのにとても良いのです。

有酸素運動も血行促進におすすめです。ランニング、スイミング、サイクリングを定期的に行いましょう。運動不足は言うまでもなく薄毛によくありません。

食事について

髪の毛ももともとはタンパク質やビタミンなどをもとに成長していきます。つまりこれらの栄養素が不足していると髪の毛が細くなったりなど、薄毛につながるということです。

ただ、では髪にいいい成分だけを食べるようにすればいいのかというと、それも間違いです。栄養というのはバランスよく摂取しなければ体への吸収などが妨げられ、狙っている効果を得られなくなります。

そのため、最初は栄養素にこだわらず、バランスのよい健康的な食事を心がけるとよいでしょう。ただここで注意です。脂質の多い食べ物の摂りすぎには特に気を付けるようにしてください。毛穴の詰まりの原因になります。

 

まとめ

薄毛は個人の体質に原因がある場合もあるので、必ずしも生活習慣や食生活を改善したからといって、効果が出るとは限りません。これらの取り組みに効果がなかったら、自毛植毛を検討しても良いと思います。

前髪などに自分の髪を移植すると、また何度でも生え変わる、自分の力強い髪の成長が見られます。

 

 

 

自毛植毛と毛母細胞

皆さんは毛母細胞という言葉を聞いたことはありますか。自毛植毛を検討している方、既に手術を受けた方は、主治医などから説明を受ける、自分から調べるなどしてすでに聞いたことがあるかと思います。

しかし、改めてどのようなものかと聞かれると答えられない方がほとんどです。毛母細胞を移植することで、髪の毛は再び生えてきます。

ここではより詳しく説明致します。

毛母細胞

じつは髪の毛は皮膚の外の方に出ている毛幹、皮膚の下にしっかりと隠れている毛根で構成されています。そして、毛根の膨らんだ部分が毛球。そして髪の成長を支える大切な役割の毛球の内部にはここに毛乳頭があり、ここでそれをきちんと覆っている細胞が毛母細胞なのです。

つまり、毛根の根元には毛球があります。そしてそのくぼんだところにあるのが毛乳頭です。ここの毛乳頭の周りには非常にたくさんの毛母細胞があります。この細胞は毛細血管から栄養分や酸素を吸収します。それをしっかりとエネルギーにして分裂を繰り返し、これが髪の毛に成長していきます。

つまりです。毛髪の成長に非常に大切な組織が毛乳頭と毛母細胞ということ。毛母細胞が分裂をしっかり繰り返すことにより角質化、硬い毛髪となるのです。

毛母細胞の働き

毛母細胞の働きです。これはメラノサイトからメラニン色素をかなり受け取って髪の毛を黒くします。また、毛乳頭からの指令をしっかりと受け細胞分裂をどんどん繰り返していきます。これが活発であれば髪の毛は順調にぐんぐん成長していきます。だが、何らかの理由で毛母細胞の働きがとても弱くなったり、活動をずっと休止するようになると髪の毛はとても成長しにくくなります。

毛母細胞と自毛植毛

さて、ここでタイトルです。自毛植毛手術のメリットは髪が何度も何度も生え変わることです。自分の髪の毛を移植するだけ。そのため副作用がないこと、定期的なメンテナンスがまったく不要なことと、良い事づくし。 じつはこれ、移植した髪の毛が定着し、何度でも生え変わるのはなんと毛母細胞のおかげです。

 

毛母細胞の活性化とは?

毛母細胞の働きを弱める原因はお分かりでしょうか。これは男性ホルモンの影響や血行不良、栄養不足などがここに挙げられています。 細胞を活性化させるためには、じつは前提としてヘアサイクルを整え、きちんと髪の成長を促す必要があります。

髪の成長のための生活習慣の改善

毛母細胞の活性化は、普段の生活習慣を見直すことも大切です。まず、脂質、炭水化物・タンパク質の三大栄養素をきちんとバランスよく取りましょう。そして、脂肪分や塩分・糖分・食品添加物はなるべく控えましょう。

つまり間食をなるべく減らしましょうということです。お菓子や炭酸飲料も避けた方が好ましいです。ファストフードの摂りすぎにも注意です。特に日本人は三大栄養素の中でも脂質と炭水化物を取りすぎるきらいがあります。これだけを摂ると、一気に肥満化し、糖尿病を発症する可能性もあります。

酒、たばこもなるべくなら控えましょう。これらは健康にも良くないばかりか、毛髪の成長にも良いとはとても言えません。一度にやめるというのは非常に難しいので、まずはこつこつと自分ができる範囲からの、禁煙・禁酒に取り組んでみましょう。どうしても無理な場合は、専門の病院を受診することも考えてみましょう。

また良質な睡眠も非常に大切です。そのためカフェイン摂取も控えたいです。

まとめ

当たり前ですが、不摂生だと薄毛になる確率は一気に高まります。自分の薄毛が遺伝か、それとも日頃の不摂生のせいか知りたいという方は、一度自毛植毛クリニックを受診し、医師に相談してみるべきだと思います。

 

自毛植毛手術が適さない人

自毛植毛手術がいま非常に注目を集めている理由は何故でしょうか。それはとても明確な理由なのです。薬のように副作用に怯えることがないため、多くの人に適しているといえる手術だからです。

しかし、この万能な自毛植毛手術ですが、本当に誰でも受けることができるのか。これはクリニックでもよく患者様から質問されることです。

ここで簡単に結論を述べてしまいますが、例外なくどんな人にでもできる手術というものはありません。植毛手術もそうです。

しかし手術が適さない人というのはどのような人か。という点について詳しく解説していきます。

自毛植毛手術について

まず、多くの方に知って頂きたいのは、自毛植毛手術が医療行為だということです。施術によってはメスも使います。もちろん麻酔も使用します。

誰でも無免許でできるわけではなく、これはきちんと医師免許を取得した医師が手術を担当します。ただ区分として植毛医というものはなく、形成外科医や皮膚科医が多いのです。

手術も髪の毛を手で抜くのとはわけが違い、繊細な作業の連続となります。髪の毛は末端の毛母細胞ごと採取し、植えなおしますので、当然出血もしますし、術後しばらくは腫れるので安静にしなければなりません。

手術中はモニターで脈拍や血中酸素濃度を常に確認します。つまり植毛をするということは、手術を受けることと同義だということを知って頂きたいと思います。

どんな人でもできる?

自毛植毛手術は多くの方に適した薄毛対策です。しかし、ここにはもちろん例外も存在します。例えば、持病を持っている方や施術当日体調不良の方などです。さらに当院では、新型コロナウイルス感染症対策として、来院や施術当日に37.5度以上の体温がある方の受診等をお断りしています。

したがって、どんな方でも施術できるというのは正しくないかもしれません。だけれども、特に持病がなく、体調不良でもない方であればほとんどの人が問題なく施術できるので、多くの人におすすめできる施術とは言えるでしょう。

一般的に持病の中でも懸念されるのが、糖尿病を患っている方です。糖尿病は傷の回復が遅く、化膿する恐れもあるため、手術そのものを行う際は注意が必要です。

糖尿病は手術のリスクが大きいと言えます。ただしここで誤解して欲しくないのですが、これは自毛植毛だけが特別難しいということではありません。あくまで手術全般に対して述べていることです。

また、ストレス性の精神疾患の方も手術が難しいケースがあります。その他、皮膚疾患やアレルギー持ちの方も場合によっては手術に適さないということがあるでしょう。

こちらは、症状の軽重などを見極める必要があります。そのため、自分一人で手術の可否を判断するのではなく、最終的に医師の判断を仰ぐことが何よりも大事です。

 

自毛植毛向きではない頭について

最後に補足として覚えてほしいことがあります。頭に髪の毛がまったくないという方は自毛植毛手術を受けることが難しいということです。わずかであれば、別の体毛を移植することができるかもしれませんが、最適解ではありません。

ただ、側頭部や後頭部などに髪の毛さえ残っていれば、それは前頭部だろうが頭頂部だろうが、あらゆる場所に自毛植毛することが可能です。

そして一度髪を植えるとその部分の髪の毛は、昔の自分自身の頭髪と同じように、発毛サイクルを繰り返します。つまりは成長しきると抜け、また生えてくる。通常の髪の毛とまったく同じ状態になるのです。

 

まとめ

自毛植毛には例外があることが分かりました。しかし、多くの方は問題なく施術を受けることができるので、薄毛対策の選択肢として自毛植毛がよく選ばれるという理由にもなっています。